陰陽五行説が体系化したのとほぼ同時期に成立した、
中国最古の医学書「黄帝内経-こうていだいけい-」には、
次のような記述があります。
「人間というものは、
天地の間に生命を受けているもので、
即ち天地の気が感じあって出来たものです。
天地の運行に逆らうことなく
四季の養生法にかないますと、
天地は父母のごとくその人を慈愛して、
百年の天寿を全うすることが出来るのです。」
私たちはロボットのように工場で生産されたものではなく、
天地の気をすみずみに受けて誕生した
“地球の子供”です。
そんな私たちの心と体を、
東洋医学では“小宇宙”と表現しています。
陰陽五行が教えることは、
なにも難しいことではなく
「当たり前の自然の摂理」です。
「太陽は東から昇り、西へと沈むんですよ」
と言っているだけですし、
天地の法則に適うというのも、
なにも難しいことではありません。
「日が沈んだら眠りましょう」
「日が高いうちは動きましょう」と言っているのです。
黄帝内経には、また次のようにも記されています。
「太古の人々は心身ともに
天地の運行にとけこんだ暮らしであったから、
その心は満たされ、真に素朴で、上も下もなく、
社会は円満におさまるものでありました。
賢い人も愚かな者も、
みな平等に人間としてのあるべき心得を全うでき、
心身も安泰であったのです。」
便利とはなにか・・豊かとはなにか・・・
なんだか考えさせられますね
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