【五行とは?】五行の成り立ちや、基本的な働き

 

五行の起源

五行とは、
「木・火・土・金・水」
(もく・か・ど・こん・すい)の
5つの気の巡りという意味です。

五行の起源については、
紀元前の中国に遡りますが、
多くの史料が長い年月の中、
そのつど編さんされてきたこともあり、
現在ではよく分かっていません。

ただ、古くは人が生きるために必要なものを
「五材」とされているなど、
いずれも「五」という数字が使われています。

●なぜ五か・・・

太古の人々は長い年月をかけ、
森羅万象のあらゆるものを観察しました。

それは季節であったり時であったり、
動植物や私たち自身でもありました。

そうして得たのが、
全てのものの共通性や
根源的な法則だったのです。

あらゆる物や出来事、
そして人やその人生も、

細かくみれば
複雑極まりないものですが、
大元は“五つほど”
というのがその原点です。

五行思想は「五」という数のもと、
様々な書物・説・伝承が
細い糸を束ねるようにまとめられ、

今日の五行説として
体系化されていったのです。

五行は自然の法則・・・五行の成り立ち

五行は、太古の人が見いだした
自然の法則です。

●五行と季節

冬に枯れ果てた大地も、
春が訪れると
また芽吹きはじめます。

そして夏には生い茂り、
秋には衰退していきます。

陰陽が表す「冬至」と「夏至」
それに昼夜がほぼ同じ長さの
「春分」と「秋分」を加え、

五行と季節

春・夏・秋・冬という
四季の概念が生まれました。

●五行と方角

日が昇る方位を「東」
日が一番高い方位を「南」
日が沈む方位を「西」
日が一番低い方位を「北」として

五行と方角

四方の概念が生まれました。

●五行と時間

日が昇る「朝」
日が一番高い「昼」
日が沈む「夕」
日が一番低い「夜」

消えた太陽がまた昇り、
沈んでいく日々の様子から

五行と時間

四時の概念が生まれました。

五行の完成

「木」
春、朝、東は
太陽が昇り進むところです。

自然界の中で、
上へ上へと昇り進むもの・・・
これを「木」としました。

「火」
夏、昼、南は
メラメラ太陽が盛んなところです。

自然界の中で、
メラメラと燃えるもの・・・
これを「火」としました。

「金」
秋・西・夕は
太陽が沈んでいくところです。

まるで太陽が沈むように頭を垂れる稲穂、
それが黄金色に輝く様子から
「金」としました。

「水」
冬・北・夜は
太陽が落ちて暗くなるところです。

自然界の中で、
下へ下へと落ちるもの・・
これを「水」としました。

そして、その中央を「土」とし、
五行が完成したのです。

「土」・・・中央ってどこ?

“中央”とは、自分が居るこの場所・・・
君主のいる場所という意味です。

「中国」という名は、
本来この「中央の国」という意味で、
それは五行が発展・成立していった、
長江・黄河の中下流域あたりです。

五行とは、自分を取り巻く自然と、
その影響を説いたもので、

それは日本などの
「四季の変化がはっきりしている地域」に限られます。

「気候風土が人を育む」といわれますが、
これは本当にその通りで、
砂漠には砂漠の思想、
常夏には常夏の思想があります。

ですから同じ日本でも、
北海道や沖縄、
本州の一部の地域は違いますし、
お隣の韓国もまた違います。

本家の中国でも、
それは黄河・長江の中下流域だけなのです。

土用とは?

中央の「土」は、
季節では四季の変わり目をあらわします。

それを土用-どよう-と呼びます。

世間では「土用の丑の日」といって
鰻を食べることが有名ですが、
土用は、夏だけでなく
四季の変わり目をいいます。

四立といわれる
立春・立夏・立秋・立冬までの
18日間が「土用」の期間
です。

夏の土用が有名なのと同じく、
「鬼は外~」で有名な節分も、
立春の前日を節分の日といいますが、

本来は、立春・立夏・立秋・立冬
それぞれの前日を節分をいいます。

正確には、季節の変わり目というより、
中心に安定した土があり、
それぞれの季節が順に旺じ(強まり)ます。

時間においても、
朝・昼・夕・夜の間は土が支配します。

木火土金水・・・木は樹木じゃない

五行について、
木を「樹木」だとする人がいますが、
「木・火・土・金・水」は、
木=ウッド
火=ファイヤーではありません。

「木火土金水」の五行とは
太陽が昇り沈んでいくという、
一年や、一日の巡りから見いだした、
自然の法則なのです。

またもう一つ、
自然界の全てのものは、
5つの働きで成り立っています。

●「曲直(きょくちょく)」
・・曲がったり真っ直ぐしながらも伸びる(昇る)こと。

●「炎上(えんじょう)」
・・上へと燃え上がる(盛る)こと。

●「稼穡(かしょく)」
・・養い育むこと。変わらないもの。

●「従革(じゅうかく)」
・・型に収まる(固まる)こと。

●「潤下(じゅんげ)」
・・下(暗いところ)へと流れること。下がること。

そして、
曲がったり真っ直ぐしながらも、
昇り進むもの・・といえば「木」

燃え盛るもの・・といえば「火」

養い育むもの・・といえば「土」

固いもの・・といえば「金」

下へと落ちるもの・・といえば「水」

というように、
身近なもので例えたのです。

●五行は連想ゲームじゃない

世間の占いでは、
「水」だから「水商売に向く」とか、
「金」だから「宝石のような・・」
などと言われたりもしますが、

これらは全くの的外れで、
五行は連想ゲームではありません。


五行は西洋でいう
“五大元素”とは違いますし、
木星や火星などの
惑星でもありません。
あくまでも天地の巡りと
それに伴う作用です。

私たちのなかの五行

このように、五行というのは、
なにも難しい話でも特別な話でもなく、

私たちを取り巻く
当たり前の自然の巡りを説いたものなのです。

そして、自然とともに暮らしていた人々は、
これら五行の巡りを、
ただの自然現象では終わらせず、

私たちの心と身体にも、
それがあることを見いだしました。

東洋思想では、私たちの心と身体を
「小天地」「小宇宙」と捉えます。

小宇宙である私たちは、
宇宙の働きと調和し、

小天地である私たちは、
天地の大自然の一部なのです。

春には「木」の影響を強く受け
夏には「火」の影響を強く受けます。

また、生まれ持った五行のバランスで、
もともと「金」の働きが強い人や
「水」の働きが強い人などがいるのです。

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