五行の色体表
この世界の全ては、
五行のもとに存在します。
ここでは五季~五色までの
18つを代表して紹介していますが、
他にも五畜や五菜、五穀など、
森羅万象にわたります。
自然そして私たちの心と体は、
現代では細かく分類され、
何の関係もないように思われますが
表を縦に見ていくと
全く異なるものでも
五行に共通しているのがわかるでしょう。
例えば「木」の
五方⇒東と、五候⇒風ですが、
「東風吹かば にほひおこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ」と
和歌にも詠まれるように、
春は風の季節です。
また五色の青とで「青春」です。
人生の春を表す言葉です。
五行の色体表の解説
五季
・・・五行があらわす季節
五方
・・・五行があらわす方位
五候
・・・五方が生む外気
<黄帝内経-素門-陰陽応象大論 第五>にはこう記されています。
東方は風を生み
南方は熱を生み
中央は湿を生み
西方は燥を生み
北方は寒を生む
五臓
・・・五行それぞれの臓器とその機能。
木は肝
火は心
土は脾
金は肺
水は腎
ここでいう各臓器は、
現代医学でいう個別の臓器ではなく、
その周辺部位、機能をいいます。
例えば腎とは、泌尿器系、生殖器系など
下腹部全般を意味します。
脾とは脾臓ではなく、
口から肛門までの一本の管、
お腹を意味します。
五液(ごえき)
・・・五臓が化する液
・・・五臓が弱ると盛んに分泌される体液
肝木は涙 肝が弱ると涙が多くなります。
心火は汗
脾土は涎(よだれ)
肺金は涕(はなみず)
腎水は唾
五栄(ごえい)
・・・五臓の状態があらわれるところ
肝の不調は爪に表れ、
爪が枯れたり割れたりしてくる。
心が不調になると顔の血色が悪くなる。
脾が不調になると
唇やその周囲に異常がでる。
肺が不調になると
皮ガサガサになり体毛が抜ける。
腎が不調になると
髪の毛が抜けてくる。
五悪
・・・五臓が嫌うもの
肝は風を嫌い
心は熱を嫌い
脾は湿を嫌い
肺は寒を嫌い
腎は燥を嫌う。
これは「過ぎれば」という意味で、
例えば木の東は風を生む訳ですから、
敵対という意味ではありません。
五病
・・・五臓が病むとでる症状
語は「しゃべる」
噫は「げっぷ」
呑は「すっぱいものや苦いものが上がってくる」
咳は「せき」
欠は「あくび」
五臭
・・・五臓が変調をきたした時の臭い
臊は「あぶらくさい」
焦は「こげくさい」
香は「かんばしい」
腥は「なまくさい」
腐は「くされくさい」
五志(ごし)
・・・それぞれの五臓が発す感情
私たちの感情は頭ではなく
五臓から発せられます。
例えば肝(木)が乱れると怒りっぽくなり、
逆に怒ってばっかりいると肝を乱します。
五蔵(ごぞう)
・・・五臓が内臓する精神的要素
「魂-こん」→たましい
人としての情(愛情や人情など)
「神-しん」→心や精神
心主神明と言われ、心は神明をつかさどります。
「意-い」→心に思うこと
考えたり思いを巡らすといった意味です。
「魄-はく」→白骨や屍
死ぬと魂は天へ上がり、魄は地へ帰ります。
「志-し」→生命力の根源
私たちの知る「こころざし」ですが、
正確には「人として歩く」という意味です。
人は「魂魄-こんぱく-」が合わさることで存在します。
魂だけなら幽霊で、魄だけならゾンビなのです。
五主(ごしゅ)
・・・五臓が支配するもの。
肝木は筋(腱も含む)
→筋肉そのものは脾にも属し、
木のいう筋とは主にスジの意味が強い。
心火は血
→血液そのものや脈の状態、血管も含みます。
脾土は肉
→筋肉も含むが、おもに脂肪や肉全体の意味です。
肺金は皮毛
→体表面を覆う皮膚のこと。
金の毛はおもに体の毛と産毛で、頭髪は腎です。
腎水は骨髄(骨も含む)
→骨髄の造血機能は無関係。
リンパ液や髄液など血液以外の体液全般です。
黄帝内経-素問-にはこう記されています。
肝は筋を生じ
心は血を生じ
脾は肉を生じ
肺は皮毛を生じ
腎は骨髄を生ず
五労(ごろう)
・・・五主を傷つける動きや行動を意味します
木は歩-歩きすぎると筋を傷つける
火は視-見すぎると血を傷つける
土は坐-長く座ると肉を傷つける
金は臥-長く横になる(寝る)と皮毛を傷つける
水は立-長く立っていると骨を傷つける
五変
・・・季節におこる病変。
木は握
→春は引き攣って手を握り締める病変が現れる。
火は憂
→夏は憂いの精神状態として現れる。
土は噦(えつ)
→土用の時期は“しゃっくり”として現れる。
金は咳
→秋は“せき”として現れる。
水は慄
→冬は震えたり、身震いする病変が現れる
※これらは「秋に咳が出る」というだけではなく、
不調があると秋には咳
冬には慄となるという意味です。
季病
・・・季節に病変がでるところ。
上記の「五変」が出る原因・部位ということです。
春は神経
夏は経脈
土用は舌根
秋は背
冬は関節
五化
・・・天の気を受けた地の作用
生は、生まれる・芽吹く
長は、成長する・茂る
化は、養い育てる・姿をかえる
収は、収める・収穫
蔵は、貯蔵・かくれる(休む・寝かせるなど)
五味
・・・五臓に通ずる味。
臓に入ることから、
五入ともいわれます。
木→酸味のものは、
主に収斂作用-引き締める、締める
火→苦味のものは、
主に乾堅作用-体内の熱を清め、体液を保つ
土→甘味のものは、
主に緩和作用-痛みや不快感を和らげる
金→辛味のものは、
主に発散作用-寒気を散らす・気を巡らす
水→鹹味のものは、
主に軟化作用-固いものを柔らかくする
※鹹は(かん)と読み、塩辛さです。
南の方角は夏にあたり、
陽気が強く熱を生じます。
熱は火を生じます。
火はものの味を苦くします。
苦味の食物は
人体内に入ると心を営養し、
心は知の働きを生じます。
また、心(火行)については
こうも書かれています。
「心 宜しく酸を食うべし」
心は緩みやすいので、
酸味(収斂作用)をもって収めるのがよいのです。
五色
・・・五行が顕す色